【結論】昔よりも合格率は確実に低下し、進級も難しくなっている
更新が滞っておりまして、久々の投稿です。
今回は勉強法ではなく、歯科医師国家試験全般について生徒さん、親御さん、私たち予備校での認識のズレを頻繁に経験するので、それについて簡単にPDFでまとめてみました。必要に応じて内容は適宜追加してまいりますが、歯科医師国家試験は受ければ受かるような試験でもなく、そのため進級も厳しくなる傾向にあるということを客観的に認識する助けになればと思っております。
スクロールでも閲覧可能ですし、「歯科医師国家試験の概要PDF」をクリックして頂いても閲覧することが可能です。
グラフは省略していますが、文字情報はPDFの下に掲載しております。
なお、無断転載はご遠慮ください。
歯科医師への道のり
- 歯学科入学
- CBT (Computer Based Testing:筆記試験)
- OSCE (Objective Structured Clinical Examination:実技試験)
- 国家試験
- 研修医
- 保険医(保険診療が可能になった医師・歯科医師=独立可能になる)
歯科医師国家試験の概要
- 試験日: 毎年1回 1月下旬から2月上旬の2日間
- 受験資格: 歯学科を卒業もしくは卒業見込み
- 受験手続き時期: 11月中
- 受験料: 18900円
- 試験会場: 全国8箇所
- 合格発表: 3月中旬頃
- 合格率: 60-65%前後 (90%程度の時代もあったが、厳しくなっている)
試験内容と合格率
合格基準
問題区分 | 問題数 | 配点 | 合格基準 |
---|---|---|---|
必修問題 | 80 | 80%以上 | |
一般問題 | 180 | 1問1点 | 領域A(総論)、領域B(各論)に分けて実際の試験結果から決められる |
臨床実地問題 | 100 | 1問3点 |
- 試験後に削除問題として採点から除外される問題がある
- 必修、領域A、領域B全てで合格基準を上回る必要がある
歯科医師国家試験合格率推移
- 右のグラフ参照 (全体合格率、新卒合格率の推移)
他の国家試験との比較
資格名 | 受験までに必要な教育年数 | 合格率 |
---|---|---|
医師 | 6年 | 90%前後 |
看護師 | 3-4年 | 90%前後 |
薬剤師 | 6年 | 70%前後 |
歯科医師 | 6年 | 60-65%前後 |
司法試験 (裁判官・検察官・弁護士) | 3年(法科大学院の場合) | 25%前後 |
公認会計士 | なし | 15-20%程度 |
税理士 | 学歴・資格・実務経験など | 15-20%程度 |
気象予報士 | なし | 5%前後 |
注意したい点
手続き漏れをしない
- 手続きの具体的内容、締め切りは厚生労働省のWebサイトに毎年掲載されるので必ず確認しましょう
- 本番での1問ケアレスミスくらいは挽回できますが、手続き漏れは受験できなくなってしまう可能性があるため絶対に避けましょう
- 家族、友人などとのダブルチェックで予防しましょう
領域の割り当ては不明
- 一般問題、臨床実地問題はどちらも領域A(総論)・領域B(各論)に分けられますが、試験問題には明記されていません(=当日には分からない)
- 必修、領域A、領域Bの全てで合格基準を上回らないと合格できないため、全体の点数は良くても不合格になるケースがありえます
採点除外問題が多い
- 年度によって異なりますが、6~17問程度の採点除外問題が発生しています
- 正解選択肢がなかったり、複数の正解パターンがあったり、必修として難易度が相応しくないものなどが採点除外されています
- 当日、「おかしいな」と思い悩む問題は採点除外問題かもしれないので深く悩み過ぎないようにしましょう
昔に比べて合格率は低い
- 全体の合格率は抑制傾向で、直近10年間では63%前後になっています
- それ以前は70%前後、第99回は80.8%もあったことを考えるとかなり抑制されています
- 受験生の努力以前に、昔と比べると純粋に合格しづらい試験になってきています
卒業のハードルも上がっている
- 国家試験の合格率が抑制されているため、大学別の合格率も注目されるようになってきています
- そのため、受験者の合格率を良くするために卒業試験などを厳しくする大学も増えています
- その傾向は進級の難しさにも繋がってきており、一度も留年せずストレートで卒業・国家試験合格する人の割合は確実に低下しています(=留年が珍しくない)
試験直前期パック指導も開始しました、 逆転合格が必要・安心して合格したい学生さんは 塾の個別面談にぜひいらしてみてください。 下にあるLINE公式へ飛んでいただいて、 「個別面談」と送っていただけたらと思います。